家庭用蓄電池の損得勘定

蓄電池の損得勘定

2度めの工事が終わりましたが、蓄電池のシステムはおろか太陽光すら稼働していない状況です。
まぁそれはさておいて今回は蓄電池の損得勘定について書いてみます。

数字がいっぱい出てくるんで、苦手な方は結論だけ見ていただければと思います。

 

月々の費用効果

設置前にもよく考えればわかったのかもしれませんが、いざ設置されてようやく仕組みが理解できてきました。
蓄電池の損得勘定って、さすけさんのブログで3000円~3500円位ってのを鵜呑みにしてたわけです。

 

この算出ですが、すごく単純に考えれば良かったのかなって思います。

蓄電池の仕組みとしては、

  • 深夜の安い電力で充電。
  • お昼の高い電力時に放電。

まぁ基本的にはこれだけです。

なので、最大の効果を生み出すには、

  • 深夜電力で空の状態から満タンに充電。
  • お昼の一番高い時間帯に空になるまで放電。

とした時に最大の効果が得られるわけです。

まぁこの効果ってのは電気代のことだけですけどね。。。

 

この効果を東京電力の電化上手で考えます。

電気料金は

  • 深夜電力 12.16円/kWh
  • お昼電力 38.63円/kWh(7~9月)、31.64円/kWh(10月~6月)

です。

電池容量は5.53kWhですから、1日フル充電フル放電での最大の効果
(38.63-12.16)×5.53=146.4円/日
となるわけで、これを一月分にすると約4,400円の効果となります。

これはお昼の電気代が一番高い真夏(7~9月)ですので、
それ以外の月の31.64円/kWhで計算すると、
(31.64-12.16)×5.53=107.7円/日
×30=約3,230円/月
となります。

 

これを年で考えると42876円の効果があるという計算になりますから、平均すると月あたり3570円の効果ですね。

 

ちなみにもっとオトクなる使い方を今思いつきました。

  1. 深夜電力で充電
  2. 朝の時間帯で 全放電
  3. 朝の時間帯で もう一度フル充電
  4. 昼の時間帯で 全放電

という1日2回転させればもっと効果が出ますね。

システムがこのような使い方に対応してなくて、充電に手作業がいって面倒かとは思いますが。。。

そうすると、真夏でもう2100円。それ以外で950円効果が上乗せされます。
が、私にとってそこまで電気使わないし現実的じゃないのでそれは考えないことにします。

 

実際の我が家での費用効果

さて、ひと月辺り3570円の効果が得られるという結果が出たわけですが、これは理屈上の最大費用です。

実際は充放電に必ずロスが発生します。
つまり、5.53kWh満タンにするのに6kWh分充電しないといけないとか、空になるまで使っても5kWhしか使えなかったとか、そういう無駄な分です。
太陽光のパワコンでも95%とかって効率謳ってますよね。その残りの5%がロスになる。これと同じことです。
少なく見積もっても充放電往復で1割はロスがあるんじゃないかなーって思うわけです(根拠はありませんが)。

また、お昼に5.53kWhフルに使いきれるのか?っていうこともあります。余剰契約の太陽光がある家だと余計そうです。

 

ちなみに我が家はHEMSデータを見ますと1日辺り10~15kWh電気を使っているようです。
5月の中で 5/24 が一番電気を使っていたのでその日で考えてみます。

1日の電気使用量が 合計15.4kWh

内訳は

  • 深夜 6.4kWh
  • 朝晩 5.4kWh
  • お昼 3.6kWh

です。

一番高いお昼だけじゃ5.53kWh使いきれません

5.53-3.6=1.93kWhは朝晩の電力になってしまいちょっと効果が落ちてしまいます。

どのくらいかというと、
(31.64-12.16)×3.6 + (25.92-12.16)×1.93 = 97円
と、Maxより約10円足りず、これでは月に2900円の効果と少なくなってしまいます。

 

で、これは太陽光をまったく考えてない場合です。

我が家のように余剰電力契約の太陽光が載っているとさらに悪化してきます。

先の計算は使用電力で計算しました。
つまり太陽光発電量0kWhという計算です。

この5/24は33.8kWhの発電をしており、今までの最高で43kWhいける我が家の発電能力からしたら約8割程度の発電した日ということになります。

この日の今度は買電量をみてみます。
つまり太陽光で補えなかった部分ですね。

1日の電気買電量が 合計9.0kWh。

内訳は

  • 深夜 5.8kWh
  • 朝晩 3.1kWh
  • お昼 0.0kWh

です。

そう。太陽光のおかげでお昼の買電料が0kWhなんです。

朝晩ですら3.1kWhしか消費していません。

なので、フルに放電できずに、2.42kWh残ってしまっているということになります。

で、この日の効果としては、
(25.92-12.16)×3.1=43円/日とかなり効果が落ちていることになります。

 

5月分全部の計算は大変なので、簡易的にしますけど、
5月全体でお昼の買電量はなんと月にしても0.4kWh。
朝晩で83kWh。
5.53×31のパフォーマンスがあるのにもったいないですね。

この効果は
(31.64-12.16)×0.4+(25.92-12.16)×83.0=1150円
となります。

費用面のメリットは無し

と計算しましたが、これにレンタル代約3000円払う価値はあるのか????
ってことですね。
補助の出ない東京都じゃない場合もっとレンタル代高いですし、現在は私の時より値上がりしているようですが。。。

で、結論としては少なくとも「無し」です。費用面だけでは。

 

まぁ太陽光発電の一番多く、且つエアコン使用のほとんどなかった5月という蓄電池からしたら一番不利な条件ではありますけどね。なので8月とか12月とかはもっと効果がでるのかと思います。

 

蓄電池のメリット

では、それ以外のメリットは?
っていうと、やはり蓄電池ですから災害時でしょう。

災害と言っても停電ですね。
火事とかには役立たないばかりかむしろ危険かもしれません。。。

 

停電時には乾電池すら頼もしく思えます。

忘れかけてますが、2011年の大震災、その後の計画停電とかはつい最近の話です。

まぁあの停電も不要だったんじゃないの?とか策略?とかいろんな噂はありますが、大災害があれば停電はまずありえるわけです。

その時に役立つ蓄電池です。

停電時は我が家の重要負荷につないである、冷蔵庫やネットワーク機器、それとダイニングの電灯、コンセントに供給されるようになります。
それが電池がなくなるまで使えるわけです。

また、停電が長引いた場合、お昼になって太陽光が発電し始めれば、それで重要不可の電力をまかないつつ充電もできると思ってます。
(説明書は充電できるって書いてありますが、工事のおじさんはできないって言ってて不明ですけど。。。)

それで充電してまた夜には放電させればいいわけですね。

うまく使えば高断熱の効果もあり、本当のゼロエネでしばらくいけるかもしれません。

このメリットにお金が払えるかどうかってことかと思います。
いわば保険のようなものです。

 

災害時で役立つ蓄電池の違う欠点

ただ、大きな欠点もあります。

停電は普通は予告せずにあります。いつくるかわかりません。
その時に電池が満タンとは限りません。
普通の使い方だと夕方は電池が減っています。
ひょっとしたら空かもしれません。
その時に停電が来たらまったく使い物になりません。

電池が満タンな朝の停電には強いでしょうけど、停電時に電気がいるのって照明とかもあるのでのほうが大事じゃないでしょうか?昼は太陽光で賄うってこともできますし。

って思った時に、蓄電池で毎日お得になるように深夜充電 日中放電として使っていると、災害時に対しては弱くなるっていう矛盾に突き当たるわけです。

災害時を考えたら電池は常に満タンにしておく方がいいわけですからね。普段使っちゃダメです。

このトレードオフを考えて費用にメリットがあるのかどうか?ってことでしょう。

 

ONEエネルギーが謳う電気代削減効果

ちなみにONEエネルギーの宣伝では電気代がかなり抑えられてるって出てます。

例が載ってて、なんと42%削減と出てます。

201505627a

これはさすがに誇大広告かなぁ。

中を見たら電気使用量が減ってます

蓄電池使って電気使用量が減るって変でしょ。
電気代が減っても電気使用量は減りません。
むしろ充放電のロスがある分使用量は少しでも上がるはず。

よく見たら、見える化効果で電気使用量が17%削減とのこと。
201505627b

確かにHEMSでデータ見えるようにしたら電気代を抑えようという気になる可能性はありますけど、これを入れて堂々と宣伝するのはどうかなーって感じですね。

 

まとめ

と長々と書いてきましたが、まとめてみます。

  1. 蓄電池の費用メリットは深夜とお昼の電気代の価格差があればあるほど大きくなる。
  2. お昼の電気使用量が少ない人は費用メリットはどんどん少なくなる。
  3. 最大効果が得られたとして年間約43,000円分の費用効果あり(電化上手)。
  4. 余剰電力契約の太陽光のある家庭はメリットがその分減る。
  5. 停電時に蓄電池から一部の電気をまかなえるというメリットはある。
  6. 停電時太陽光からの充電ができるので、太陽光がある場合、停電が長引くほどメリットは増加する。
  7. 電池を使う家庭ほど停電時のメリットは減り、いざ停電時に使えない時もある。
  8. 急な停電時に備えておきたいのなら普段蓄電池は使わないのが理想。
  9. 5.53kWhという容量は少ない。普段も使って停電にも備えるにはせめてこの倍くらいは欲しい。

まとめも長くなっちゃいましたが、こんな感じでしょうか。

ONEエネルギーのレンタルの場合10年は解約ができませんから、今導入すると10年間はシステムが変わらないわけです。

今後蓄電池が安くなって、家庭で買えるようなったり、レンタルでも容量が増えて同額のサービスがでてきたりって
可能性を考えると今はまだ時期早々っていえるかもしれません。

ただ、いつくるかわからない災害へのメリットは少なからずあるわけですから、それに価値を感じる方は導入するのも有りかと思います。

 

っていうか、早くうちのシステム稼働しないかなぁ。。。

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